- 07/08 飾り付けられた、わたしという人形。
- 06/12 そら と うみ の あいだ
- 05/29 たまには息抜きしなきゃ!
- 05/24 あ、ちょっと休憩中です。
- 05/19 がおーっ。
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ミューのお家にはときどき遊びにくるモノがいる。
彼女の名はシャルロッテ。ミューの大事なおともだち。
おかあさまもおとうさまも知らない。
ひみつのおともだち。
シャルロッテは背丈こそミューと変わらないけれど
とても長生きで世界中を旅している。
おやすみのキスをしてベッドに入り眠ったふりをしてしばらくしたら
夜の暗闇にまぎれて彼女はやってくる。
たくさんのお話をかばんにつめて。
「今日はなんのお話?」
「今日は、そうね・・・・・・」
シャルロッテのお話には本でしか読んだことがない
「死」や「かなしみ」がまぎれこんでいる。
そのたび、ミューは世界の広がりを感じながら
ほんのすこしの体の底がつめたくなるような気がする。
けれど、たいせつなひとに出会えたときの月の光のやわらかさや
遠くにある、とびきりうつくしい春の国の話を聴くと
どうしようもなく走りだしてしまいたくなるのだった。
そして、ながくながく話は続き夜が明けるころ。
ミューは自分のまわりが しろく、淡く、溶けて
シャルロッテと自分を包みこんでいるように感じた。
不思議に思ったミューはシャルロッテに尋ねた。
「これはなにかしら?」
シャルロッテはおごそかに答えた。
まるできどった家庭教師が難しい数式を教えるように。
「これはね、共感っていうのよ。
あなたとわたしはいまひとつの夢を見ているの。」
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だいじなだいじなお友だちの誕生日祝いに。
ストーリーテラーなあなたが好きです。
おめでとうございます。
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